nicochaスタッフの日常

【引越しレポート】中国からやってきた25歳の海外から日本への引越し

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海外からお引越し。当社でお手伝いさせていただく機会は多くはありませんが、とても大変……という、実情がわかったので、そのときのエピソードをご紹介します。

  • 海外在住で、日本にお引越しを検討中
  • 日本に居住するのは、はじめて(or 久しぶり)
  • 頼れる親戚も少ない

というケースのお引越しです。

超レアケースゆえ、この情報が誰に役立つかはわかりませんが、いつか世界のどこかで困っている方の参考になれば幸いです。



中国から現金70万円を握りしめて来た25歳

一番思い出深かったのが、中国から日本へ超スピードでお引越しをされた25歳。生まれは日本ですが、幼いときからご両親の転勤のため海外生活の方が長い日本人男性。日本で長期間生活するのは15年ぶり。ご両親とのケンカがキッカケで現金を握りしめて日本にやってきました。

お部屋探しをお手伝いさせていただいたキッケカは、nicochaサイトに届いた一通の問合せメール。

 
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問合せ

はじめまして。中国・北京からメールをしている田中 明(仮名)です。

来月から日本に引越すことにしたので、住む家を探しています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

(2015年7月29日)
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まつだ
来月からって……3日後?!中国から日本へのお引越しってことは、日本で住む家がないってこと?!予算やエリアも書かれていないけど……

と、頭に無数のはてなが浮かび、その日の夜にskypeで打ち合わせをさせていただくことに。

 

田中さんのお引越し経緯

・急きょ、VISAの関係で中国を出なければいけなくなった

・両親はロサンゼルス在住

・ロサンゼルスに引越す予定だったが、両親と考え方が合わず行きたくない

・日本で就業経験をつみたい

・日本到着日は8月1日

・転職活動はこれから

・日本での生活は15年ぶり

・日本の携帯も銀行口座もない(クレジットカードも)

という感じで、初めての一人暮らしとはいえ、他の方とはレベルが違った一人暮らしの幕開けでした。

 

 

日本についてまずしたこと

家探しの前にやることがたくさんあったので、チェックリストにしてひとつひとつ潰していきます。

・銀行口座をつくる

・携帯電話を買う

・転職活動をする

・家を探す

 

このあたりを同時並行で行います。

この活動を行うにも日本に拠点が必要なので、これは即入居が可能なシェアハウスを決めていただきました。

初期費用も安いし、家具・家電もそろっているので、最初は

田中さん
落ち着くまでシェアハウスでいいかもしれません

と言っていたものの、翌日には、

 

田中さん
もう早く出たいです!隣の部屋の人が夜遅くまでうるさくて眠れませんでした(涙)

と、泣いていました。

そりゃ、海外のコンドミニアム暮らしから極小シェハウス生活は、厳しかったと思います……。

 

家探しの前にぶち当たった壁

日本でシェアハウスが見つかり、無事にハードルをクリアしたと思ったのもつかの間。次なる試練は、携帯電話契約でした。

実は、転職活動は北京在住のときからスタートされていて、現在、第一希望の会社の2次選考中。3次選考を通過できると内定がもらえるとか?いよいよ終盤に差し掛かっていたのですが、連絡用に日本到着後は携帯電話番号を手に入れなければなりませんでした。

転職活動だけでなく、部屋を借りるときにも必要になるものなので、善は急げ!と、田中さんは携帯SHOPへ向かいました。

 

 

そして、1時間後、田中さんからまたまたメールが届きました。

 

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<< 田中さんからのメール >>

携帯SHOPでは、携帯代の支払いのために銀行口座かクレジットカードを指定してくれ、と言われました。

銀行口座もクレジットカードも持っていない、と伝えると、店員さんは「それでは携帯電話の契約はできません」と言いました。

クレジットカードは手元に届くまで1週間程度かかると聞いたので、銀行に行き、銀行口座を開設しようとしました。

すると、銀行員は「ご連絡先(携帯電話 or 固定電話)がないと銀行口座は開設できません」と言いました。

携帯屋では銀行口座がないとダメ、

銀行では携帯電話がないとダメ、と言われ……

 

どうしたらよいのでしょうか?

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まつだ
なるほど

今の日本のシステムでは携帯電話がないと八方ふさがりになるようです。

携帯電話がない → 銀行口座が持てない → 携帯電話が買えない

すごい。

かろうじてwifiをひろってiPadで連絡がとれたことが救いです。

 

プリペイド携帯など、いろんな方法を考えてみましたが、やはり銀行口座・クレジットカードを持っていないとどうしようもない、という結論に至りました。

結局、携帯電話問題は私の眠っていたものをお貸出しして、銀行口座開設・携帯電話番号をゲットしていただきました。

田中さんには、口座開設後すぐにご自身の携帯電話番号に登録変更していただいたり、ご負担をかけてしまいましたが、JAPANルールを突破するために、二人三脚気分で進んでいきました。

 

 

家が見つかったものの審査が……

田中さんは日本よりも海外生活が長いため、日本のあたりまえがわかりません。

北京でも自分で家を見つけて一人暮らしをされていたようなので、その経験が邪魔になってしまったよう。北京のあたりまえと日本のあたりまえは全く違うものでした。

敷金、礼金、仲介手数料、連帯保証人、入居までの流れは……と一通り説明したものの、その面倒臭さにガックリきているようでした(汗)

それもそのはず、海外では情報がオープンになっていることが多いですし、貸主さんと直接交渉できるケースも。もちろん契約書を結ぶものの日本のように大量の書類に署名・捺印することは珍しいようです。

(そもそも海外はサインだけか。押印はなし)

 

 

契約手続きにも時間がかかるのであれば、1日も早く家を見つけよう!と、

予算・ご希望エリアから物件を絞っていきました。

ちょうど1件、ご予算内で新築のお部屋がまだ残っていました。このお部屋は、下記のようなお部屋でした。

  • 新築1Kマンション
  • 6帖+収納小さめ
  • 2口コンロ、浴室乾燥機、独立洗面台あり設備充実
  • 大通り沿いのため騒音、排気ガスあり
  • 日当たりは良い
  • 排気ガスのため洗濯物は外に干しにくい
  • エレベーターなし(募集は3階のお部屋)
  • 敷金なし(退去時に要清掃費)、礼金なし、仲介手数料なし(広告料が出る物件)

特に、この立地がクセモノ。駅から徒歩7分はまずまずですが、幹線道路沿い。

昼夜を問わず車が通るため、騒音・排気ガスともにすごそうだな……という感じでした。このような理由で、徐々に賃料も下がっていき近隣相場を比べると2000円~3000円程度安くなっていました。

 

このため、このお部屋は田中さん以外にも興味を持たれる方が多く、たくさんご案内をしたことがありました。でも、やっぱり道路が気になり、お申し込みをされる方は、いままでいらっしゃいませんでした。

あらかじめ、残念ポイントがわかっていたので、田中さんにも伝えて現地を確認することに。

田中さん
いいですね!
まつだ
音とか排気ガスは大丈夫ですか?洗濯物は干しにくいと思いますが……
田中さん
北京なんてもっとすごいですよ!
まつだ
そうなんですね

というわけで、田中さんにはこの物件の残念ポイントは全く気になるレベルではなく、むしろ、浴室乾燥機もついていてラッキー♪ぐらいなご感想でした(笑)やはり、感じ方は人それぞれですね。初期費用も抑えめだったので、そのまま、お部屋のお申込みを済ませました。

 

が、、、、

 

 

田中さん
まだ、会社が決まっていません。

 

 

まつだ
そうですね、明日ですもんね!最終面接

 

 

 

と、一足先にお部屋の申込みを済ませてしまいました。

(基本的に、次のお仕事が決まっていない段階で、お部屋を借りるのは難しいです)

 

 

管理会社さまにも事情を説明したものの、やはり、今の田中さん(無職・連帯保証人なし・手持ち現金70万弱)だと、審査が通らない、とのこと。

 

まつだ
そりゃ、そうですよね。すみません……。

 

と、他のお申込みが入るか、田中さんの内定をもらえるか、どちらが早いかによって新居の運命が決まります。

手に汗握る攻防が続きますが、私はどうすることもできないので祈って待つばかりでした。

 

 

無事に契約手続きへ

その後、田中さんは第一希望の会社から内定をいただき、ご希望のお部屋も入居審査が通りました。

新築だったため鍵交換期間もなく、審査が出てから3日後にはお引越しとなりました。(早ッ)

「何かあればいつでもご連絡くださいね」と、言ってお引渡しを終え、最初のうちはゴミ出しのことやSuicaとPasmoの違いなど(笑)いろんな質問が来ましたが、1か月もすると落ち着いたご様子。

中国から70万円を握りしめ日本へひとり渡ってきた25歳。最初は大変なことがたくさんあったかもしれませんが、そんな苦労話をまた聞ける日が楽しみです。

 

一年を振り返りながら、年賀状を書きつつ、不動産のお仕事って

人生のターニングポイントに携われるドラマチックな仕事だな、と改めて感じました。

引越しは環境が大きく変わるタイミング。人生が大きく変化する方も少なくありません。新しい場所で、さらに楽しい人生が過ごせることを祈っています。

まつだ
ありがとうございました

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