どんなに内見を丁寧にしても実際住んでみないとわからないことはたくさんあります。両隣や上下階のご近所さまのこと。周辺の工事の様子などなど、新生活を始めて気が付くことも多いのです。
特に、お隣さんとの騒音問題に悩んでいる方もいらっしゃるようです。今日は、引越し先の騒音が気になるときの対処法をまとめてみたいと思います。
目次
引越し先の騒音問題に悩んでいる人はとても多い
suumoジャーナルで、引越し理由を調べた調査結果が掲載されていました。
リクルート住まいカンパニーは、「なぜなぜ教えて?引越しをした理由」をテーマに調査を実施し、このたびその結果をランキングにまとめた。
【調査概要】
●調査実施時期:2014年12月12日~2014年12月15日
●調査対象者:1都3県在住で1年以内に引越しをした20~49歳の男性200名・女性200名
●調査方法:インターネット
●有効回答数:400
【調査結果】
Q.なぜなぜ教えて?引越しをした理由
1位:前住んでいた物件に不満があったから 22.0%
2位:前よりよい条件の物件を見つけたから 20.0%
3位:結婚したから 18.8%
4位:転勤になったから 17.3%
5位:賃貸の更新時期がきたから 16.8%
6位:転職した(する)から 6.5%
7位:一人暮らしをしたかったから 6.3%
8位:入学した(する)から 2.8%
8位:就職した(する)から 2.8%
1位は「前住んでいた物件に不満があったから」
駅まで遠いなどアクセス面で不満があった場合もあれば、道路の騒音など環境の問題、近隣住人とのトラブル、建物の不具合などが理由として挙げられた。
約20%以上の方が家の不満を理由にお引越しをされています。
その内訳のデータは記載されていないのですが、駅まで遠い・道路の騒音などの周辺環境・近隣住人とのトラブル・建物の不具合を理由としてご紹介されていました。
マンションやアパートの集合住宅で、近隣住人の騒音問題に悩んでいる方は多そうです。
もし、引越し先のご近所さんの騒音が気になった場合は、どのように対処したら良いのでしょか?
賃貸の騒音問題の対処法
騒音が気になったときは、我慢をせずに動き出しましょう。
なぜなら、我慢をしていたら騒音は全く変わらない からです。「今日だけ我慢したら……」と、思うかもしれませんが、音を出している張本人は騒音の発生源である自覚がないことも多いのです。このような場合、誰かに注意を注意されないと騒音がやむことはないでしょう。
また、「音」などの感覚の違いは早めにすり合わせが大切。時間が経ってしまうと言い出しにくかったり、相手も「今までは何も言われなかったのに!」と、余計なエネルギーをつかうことになります。
彼氏や旦那さんにも不満があったとき、限界まで不満をため込んで爆発させて良い結果になったことはありません(汗)
「もっと早く言ってよ~」と拍子抜けする反応だったり、いらぬ感情が入ってしまい事態が悪化してしまうことも少なくありません。
騒音問題も気になったら不満をため込まずに、
早急に、動き出すことをおススメします。
騒音問題は、誰に伝えたらよいの?
「うるさいなーー」と思ったときに、誰に伝えたら良いのでしょうか?
直接、ご本人に伝えられるぐらいの人間関係が築けていたらよいのですが、引っ越して間もないときや、女性の一人暮らしでは少し不安を感じるかもしれません。
まずは、住んでいるマンション・アパートの管理会社へご相談してみましょう。
管理会社に連絡をすると、たいてい下記のようなことを聞かれます。
- 騒音の内容は?(音楽、夜遅くのTV・洗濯機など)
- 騒音があった日時は?
うるさかったときの状況を管理会社で把握して、音を出されている方と改善に向けて話し合いを持つためです。
なお、このような相談をしたときに、「共同生活だから仕方ないです」と、取り合ってくれない不動産会社もあるようです。
このような場合は、このあと説明する伝え方を試してみたり、別の場所に相談してみましょう。
騒音問題を伝えるときのコツ
騒音問題を管理会社に伝えるときにはコツがあります。
数値化する
「うるさい」というレベルは人によって異なります。
ある人にとっては許容範囲でも、ある人にとっては苦痛を感じるレベル。音がどれくらいの音なのかを把握できないと、管理会社としても対応できない、というのが現実。このため、伝えるときは客観的なデータをもとに話ができると状況を把握しやすくなります。
測定器を借りましょう
騒音のレベルは「測定器」で計測できます。世田谷区では無料で2週間借りることが可能。使い方などは貸出し時に説明を受けれるのでご安心を。貸出の概要は以下のようになっています。
【世田谷区:測定器の貸出について】
- 貸し出し期間は、2週間以内です。
- 貸し出しは、区内在住、在勤、在学の方に限ります。
- 測定機器等は使用の目的に従って使用してください。
- 測定機器等の取り扱いは、十分な注意を持って行なってください。
- 故意または過失により測定機器等を紛失または破損した場合は、現品をもって賠償願います。
★ お問合わせ先
- 環境総合対策室環境保全課 電話番号:03-5432-2276
- 世田谷総合支所 計画調整・相談 電話番号:03-5432-2818
- 北沢総合支所 計画・相談 電話番号:03-5478-8038
- 玉川総合支所 計画・相談 電話番号:03-3702-1134
- 砧総合支所 計画・相談 電話番号:03-3482-1324
- 烏山総合支所 計画・相談 電話番号:03-3326-1207
ちなみに、東京23区の貸出状況は下記のとおりでした(2016年4月5日現在)。
市区町村 | 貸出 | 問合せ先 | HP |
---|---|---|---|
足立区 | 2週間 | 生活環境保全課規制指導係 | HP |
荒川区 | △ | △ | △ |
板橋区 | 1週間 | 資源環境部環境課 | HP |
江戸川区 | 1週間 | 環境推進課相談係 | HP |
大田区 | 8日以内 | 環境・地球温暖化対策課環境調査指導担当 | HP |
葛飾区 | 1週間 | 環境課 | HP |
北区 | 1週間 | 環境課窓口(北区役所第四庁舎1階) | HP |
江東区 | 1週間 | 環境保全課 | HP |
品川区 | 15日以内 | 環境課 | HP |
渋谷区 | 1週間 | 環境保全課公害対策係 | HP |
新宿区 | 1週間 | 環境対策課公害対策係 | HP |
杉並区 | 10日以内 | 環境部環境課公害対策係 | HP |
墨田区 | 3日以内 | 環境保全課指導調査担当 | HP |
世田谷区 | 2週間 | 環境保全課の窓口(区役所第1庁舎5階53番窓口) | HP |
台東区 | △ | △ | △ |
中央区 | 1週間 | 環境推進課環境指導係 | HP |
千代田区 | 5日以内 | 環境まちづくり部環境政策課公害指導係 | HP |
豊島区 | 1週間 | 環境清掃部環境保全課 | HP |
中野区 | 1週間 | 保健所2階6番窓口(生活環境分野環境公害担当 ) | HP |
練馬区 | 1週間 | 環境部環境課 | HP |
文京区 | △ | △ | △ |
港区 | 1週間 | 各総合支所協働推進課協働推進係 | HP |
目黒区 | 2週間 | 環境保全課環境計画係 | HP |
※(測定器の貸出しがない場所にお住まいの方には、測定器の代替品をのちほどご紹介します)
測定器は無料で借りられるので、気になる方はお住まいの市区町村へお問合せください。
測定器の貸出しがない場合
測定器の貸出がない場合は、アプリを活用しましょう。
◇ 騒音測定器 : Sound Meter (Android)
◇ かんたん騒音計:Sound Level Analyzer Lite (iTunes)
騒音はdB(デシベル)という単位で表し、うるさいとされる基準値(目安)も決まっています。
35dBの騒音は一体どの程度の音なのでしょうか?
騒音の基準値
騒音の基準値は地域や道路などの環境によって異なっています。
環境省のサイトには、騒音の基準値が紹介されていました。
1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
2 AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。
3 Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
4 Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
5 Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。
引用:環境省|騒音に係る環境基準について
騒音の目安となるdB(デシベル)数は、エリアによって異なります。
病院や介護施設など静かな環境が望ましいとされる施設がある場所では、昼間(6時~22時)50dB、夜間(22時~翌6時)40dB。
住居が多い場所では、昼間(6時~22時)55dB、夜間(22時~翌6時)45dB。
繁華街や工場が多い地域では、昼間(6時~22時)60dB、夜間(22時~翌6時)50dB。
上記の数値を超えると「騒音」になります。
ただし、これも外部環境によって変動します。道路が近くにある場所だと車の音も聞こえるため基準値が上がります。
病院や介護施設など静かな環境が望ましいとされる施設がある場所で、かつ、2車線以上の道路に面する場合、昼間(6時~22時)60dB、夜間(22時~翌6時)55dB。
住居が多い場所で、かつ、2車線以上の道路に面する場合、昼間(6時~22時)65dB、夜間(22時~翌6時)60dB。
繁華街や工場が多い地域で、かつ、車線がある道路に面する場合、昼間(6時~22時)65dB、夜間(22時~翌6時)60dB。
上記の数値を超えると「騒音」になります。
さらに、この道路が幹線道路のような大きな道路になると基準値が緩和されるようです。
すべてのエリアで、昼間(6時~22時)70dB、夜間(22時~翌6時)65dB。
お隣さんが「うるさいなーー」と思った時の騒音をはかり、どのレベルなのかを把握してみましょう。
そのうえで、管理会社へ相談をすると感情的にならず、前向きな話し合いをしやすくなります。
騒音問題の予防策はあるのか?
住んでみないとご近所さんがどのような生活スタイルなのか知ることはできません。ただ、万が一、騒音問題が起こってしまったときに、ご近所さんと話し合いをしやすい関係を築いておくとよいかもしれません。
- 引越しの際に、ごあいさつに行く
- 朝や夜、すれ違ったときにあいさつをする
小さなことですが、こんな積み重ねで信頼関係を高めていけるでしょう。
また、トラブルでなくても、緊急時に何かをお願いしなければならない可能性もあります。お互い持ちつ持たれつ、思いやりを持って共同生活を送っていけたら良いですね。
集合住宅にはつきものの騒音問題。我慢して一人で悩まず、管理会社と連携して早く解決できるように動き出してみましょう。
騒音問題の参考になれば幸いです。今日もありがとうございました!
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