- ネット銀行の住宅ローンは、実際どうなんだろう?
- ネット銀行でも、大丈夫だよね?
という、疑問、不安と向き合うために、ネット銀行の住宅ローンについて徹底リサーチ。
住宅ローンを検討中の方の参考になれば嬉しいです
調べた結果、
- ネット銀行の住宅ローンは低金利のメリット
- 審査期間の長さのデメリット
が、あります。
低金利で保障も充実した住宅ローン、申込者が多いので、審査・契約手続きに時間がかかります。
それ以外にも、破綻リスクや手続きの面倒臭さ、などが不安でした。
しかし、倒産リスクや手続きの手間は、都市銀行や地方銀行と違いがありません。
そこまで、気にすることではありませんでした。
ただ、ネット銀行住宅ローンの審査ハードル&手続きの遅さは、注意すべきポイント。
契約まで時間がない方は、審査が早い「auじぶん銀行」がおすすめです。
また、住宅ローンという高額な取引をネット銀行で行うことが不安な方は、三菱UFJ銀行の住宅ローンなど、ネット銀行と同レベルな低金利の住宅ローンを提供している金融機関を選ぶのもおすすめです。
それでは、詳しくネット銀行の住宅ローンについて、確認していきましょう。
目次
ネット銀行の住宅ローンは破綻しない?
破綻リスクは都市銀行と同じレベル
金融機関に預けたお金(利息のつく普通預金、定期預金等)は、元本1000万円まで保証されます。
預金保険制度とは、金融機関が預金保険料を預金保険機構に支払い、万が一、金融機関が破綻した場合に、一定額の預金等を保護するための保険制度です。
預金者が預金保険制度の対象金融機関に預金等をすると、預金者、金融機関及び預金保険機構の間で自動的に保険関係が成立します。
このため、預金者は、預金保険の手続を行う必要はありません。引用:預金保険機構
これは、ネット銀行も同じ。
万が一、銀行が倒産しても、元本1000万円までは手元に返ってきます。
格付けランキングは、ネット銀行も都市銀行も同レベル
企業の信用力は、「格付けランキング」を参考に確認してみましょう。
格付けランキングは、信用リスクの指標となるもの。
- AAA
- AA
- A
- BBB
他
などと、評価され、ランクが高いほど信用力があります。
銀行名 | 格付け ランキング |
評価 |
---|---|---|
三菱UFJ 銀行 |
AA | 安定的 |
三井住友銀行 | AA | 安定的 |
みずほ銀行 | AA | 安定的 |
りそな銀行 | A+ | ポジ ティブ |
埼玉りそな 銀行 |
A+ | ポジ ティブ |
三井住友 信託銀行 |
AA- | 安定的 |
住信SBI ネット銀行 |
A | 安定的 |
auじぶん銀行 | ー | ー |
楽天銀行 | A | ネガ ティブ |
ソニー 銀行 |
AA- | 安定的 |
イオン銀行 住宅ローン サービス |
A- | 安定的 |
新生銀行 | A- | 安定的 |
※ 2018年9月 JCR(日本格付研究所)データ
ネット銀行も、元本1000万円まで預金口座が保護されるし、特別なリスクはないと感じました
大手金融機関と提携
そもそも、ネット銀行の設立は大企業と金融機関の提携が主流です。
住信SBIネット銀行✕SBIホールディングス・三井住友信託銀行
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスを出資会社とするインターネット専業の銀行です。
引用:住信SBIネット銀行
auじぶん銀行✕KDDI・三菱UFJ銀行
auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して2008年に設立したインターネット銀行。
引用:auじぶん銀行
独立系も大手企業が設立
また、独立系金融機関も設立母体は、日本を代表する大手企業です。
- ソニー銀行:ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
- 楽天銀行:楽天株式会社
- イオン銀行:イオン株式会社
グローバルで活躍中の企業が事業を行うネット銀行。
信用を積み上げていき、利用者も着実に増えてきています。
利用者実績も急増中
フラット35の取扱実績NO.1は、ARUHI(アルヒ)住宅ローン
ネット銀行の住宅ローンを利用する方も増えてきています。
例えば、住宅ローン専用の金融機関ARUHI(アルヒ)。
全期間固定金利のフラット35のシェアは、11年連続1位。
アルヒ株式会社は、2019年度の【フラット35】取り扱い件数が、全336金融機関の中で 第1位となり、2010年度~2020年度に続いて、11年連続の第1位となりました。
引用:ARUHI(アルヒ)公式サイト
- 審査スピードが早い(事前審査:最短当日 / 本審査:最短3営業日)
- 返済口座は、自由に金融機関を選択OK
- 自営業者、転職したばかりでも審査OK
IT技術を活用し、審査・契約時間の短縮に成功したARUHI(アルヒ)。
つなぎ融資等にも対応しているため、多くの方にとって利用しやすい住宅ローンです。
ネット銀行の住宅ローン手続きは大変?
提携ローン以外は不動産屋が非協力的?
住宅ローンは、不動産会社から紹介されることも多いです。
ただ、不動産会社がおすすめする住宅ローンは、必ずしも、自分にとって良い商品とは限りません。
- 提携ローンは審査が通りやすい
- 提携ローンは手続き代行できてスムーズ
- 提携ローンは優遇金利で金利も安くなります
と、提携ローンの利用を勧められることも多いです。
ただ、本当に良い商品かは、自分の目で確かめることが大切。
金利が高く審査が通りやすい住宅ローンの可能性もあります。
(=不動産会社にとって、良い住宅ローン)
不動産屋は住宅ローンの専門家ではない
覚えておきたいポイントは、不動産会社は、住宅ローンの専門家ではありません。
金融の知識は最低限レベルで、あまり詳しくない方も多いです。
特に、ネット銀行の住宅ローンなど、新サービスが続々と展開中の商品は、知らないことも多いはず。
住宅ローンは、住宅ローンの専門家(銀行・ファイナンシャル・プランナー(FP)等)に相談しましょう。
不動産取引の書類は準備してもらえる
とは言っても、
不動産会社も住宅ローンの審査に通らないと、契約手続きを進められないので困ります。
住宅ローン審査・契約時に必要な書類は、依頼をすれば準備していただけます。
不動産取引の専門家なので、書類準備は任せてOK。
準備してもらった書類を金融機関に届けるのは、自分で行いましょう。
それだけで、不動産会社に依頼したときに発生する代行手数料(数万円程度)が節約できます。
ネット銀行の銀行口座を使ったことがない
ネット銀行の銀行口座は便利でお得
住宅ローンを利用する際、返済口座を指定されることが一般的。
口座を持っていない場合は、新規で銀行口座開設手続きが必要になります。
ただでさえ、不動産取引の契約手続き、住宅ローン関連手続き、と、手続きが続いているなか、銀行口座まで開設手続きを行うのは、
めんどくさい
と、感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ネット銀行の銀行口座は、とても便利です。
住宅ローンを利用しなくても、普段から使っておくのがおすすめ。
- (住信SBIネット銀行の場合)
- 提携ATM 引出手数料:2~15回まで無料
- 振込手数料:1~15回まで無料
- 毎月定額振込サービス:10件まで毎月指定口座へ自動振込
コンビニATMの引出し手数料や、振込手数料が無料。
賃貸物件の家賃支払や、子どもの習い事など、毎月支払いが発生するものは、住信SBIネット銀行から振込みしています。
地味に便利なのが、自動振込サービス。
忙しくて振込忘れてしまうと大変なので、全て自動振込設定しています。
もちろん利用料は無料(指定の振込手数料はかかります)。
支払い履歴もインターネット上で簡単に確認でき、便利。
もはや、手放せない存在になっています。
ARUHI(アルヒ)は、自由に引落し銀行口座を選べる
それでも、銀行口座を増やしたくない方や、自由に返済口座を選びたい方は、ARUHI(アルヒ)がおすすめ。
ARUHI(アルヒ)は、100以上の金融機関から自由に返済口座を選ぶことが可能。
すでに手元にある金融機関の口座を、そのまま活用できます。
ネット銀行の住宅ローン手続きの流れ
- 事前審査・仮審査
- 本審査
- 契約手続き
- (司法書士と面談)
- 契約完了(融資実行)
※ 司法書士の面談は、金融機関によって異なります
事前審査と本審査があることが一般的
- 事前審査・仮審査
- 本審査
事前審査は簡易的な内容で、住宅ローンの返済が無理なく行えるか?住宅ローン利用規約に違反していないか?を確認するもの。
申込者の収入、資金計画、勤務先情報、物件概要がわかるものを提出します。
インターネットから簡単に手続きができることが多く、最短当日・翌日に回答が届く住宅ローンが多いです。
- 資金計画&住宅ローン利用シュミレーション
- 勤務先情報
- 源泉徴収票
- 売買契約書、建物建築請負契約書(契約前の場合は物件概要がわかるもの)
借入希望額、金利プラン、返済期間、自己資金の額等
所在地、電話番号、資本金、従業員数
前年度年収、入社年月
建物構造、土地面積、建物面積、購入金額
あまり悩む内容はなかったです
実際に、事前審査は3つの銀行で手続きを行いました。
自分ひとりで行いましたが、迷った箇所はありませんでした。
審査で必要な書類は、ネット銀行も実店舗がある銀行も変わらない

住宅ローン審査書類
住宅ローンの本審査では多くの書類を提出します。
しかし、これは、ネット銀行に限らず、都市銀行などの住宅ローンも同じ。
住宅ローン審査に必要な書類は変わりません。
ネット銀行でネット契約に対応していない場合、事前審査通過後に、本審査の案内書類が郵送されます。
必要書類をそろえて、記入・捺印し、返送します。
書類は付箋やマーカーで指示&記入例あり
書類は記入箇所を指示していただけるので、心配不要。
わからないことがあれば、コールセンターで質問の受け付けています。
- 21:00まで、相談OK
- 土日祝日も、相談OK
など、仕事があっても利用しやすい銀行が多かったです
インターネット上でも、見本例を提示しながらわかりやすく説明されていたので、不動産取引がわからない自分でも、難しく感じることはありませんでした。
提出書類は郵送等で申請
基本的に書類は郵送でやり取りを進めます。
もし、不備があった場合、金融機関から書類が返送される時間と、再提出する時間がかかるので時間がかかります。
確かに、住宅ローン取引は人生で初めてのことで、わからないことも多いです。
それは、ネット銀行も店舗がある銀行も同じ。
でも、質問ができる環境があるなら、ぼくは、ネット銀行で全然いいな、と感じました。
銀行の店舗は、基本的に平日15:00までしか対応してもらえませんし、わざわざ、店舗に行って相談しなくても、自分の疑問が解決できるなら満足!
時間の制限がない電話やメール、skypeで対応してもらえるネット銀行の方が、便利だなと感じました
抵当権の設定登記は指定司法書士が行う
ネット銀行でも、抵当権の設定登記は指定司法書士が行います。
自分で司法書士を探さなくても大丈夫。
銀行の指示に従って動けば良いので、特に心配することはないそうです。
ネット銀行によっては、契約内容の最終確認と打合せを兼ねて、司法書士との面談が必要になることもあります。
確定申告時は残高証明書が送られてくる
確定申告はネット銀行も、他の銀行同様、自分で手続を行います。
金融機関から送られてくる残高証明書は必ず保管しておきましょう。
確定申告自体は難しいものではないので、国税庁のサイトや税務署で質問をしながら、手続きを行います。
ネット銀行の住宅ローンは審査が厳しい?
審査は厳しめ
ネット銀行の住宅ローンを利用するとき、最も大きな不安は、審査。
申込みをしても、審査に通過しなければ利用できません。
住宅ローンの審査は、年収、勤続年数、物件の価値など、総合的に判断されます。
ネット銀行の住宅ローンでは、低金利で多くの方が利用するため、審査に時間もかけられません。
一律の基準で、機械的審査が行われます。
実店舗がある銀行の場合、勤めている会社と提携があれば、金利が優遇されることもあります。
ネット銀行の場合、そのようなサービスはあまりない印象。
特別対応はなくしても、その分、低金利な住宅ローンを条件に合致する方だけに提供することを優先させたネット銀行。
低金利の住宅ローンは、やはり審査が厳しいんだな、と感じました
銀行名 | 年齢 | 年収 | 勤続 年数 |
---|---|---|---|
三菱UFJ 住宅ローン |
申込時 ~70歳 完済時 ~80歳 |
非公表 | 1年 以上 |
住信SBI ネット銀行 |
申込時 ~65歳 完済時 ~80歳 |
非公表 | 6か月 以上 |
auじぶん銀行 |
申込時 ~64歳 完済時 ~80歳の 誕生日まで |
非公表 目安は 200万円 以上 |
規定なし 3年未満 の場合 職務経歴書 を提出 |
ソニー銀行 |
申込時 ~65歳 完済時 ~80歳 |
400万円 以上 |
規定なし |
楽天銀行 |
申込時 ~65歳 完済時 ~80歳 |
400万円 以上 |
規定なし 1年未満 の場合 職務経歴書 を提出 |
イオン銀行 |
申込時 ~71歳 完済時 ~80歳 |
100万円 以上 |
6か月 以上 |
審査期間も長い
ネット銀行の住宅ローンは審査期間も長いです。
一般的に、
- 本審査結果が出るまで、1か月程度
- 契約完了まで、1か月半~2か月程度
必要です。
不動産取引では決済期限が設定されています。
住宅ローンの審査・手続きも、期限までに完了しなければなりません。
このため、手続きに十分な時間が割けない場合、ネット銀行の住宅ローンは利用できないケースも多いです。
住宅ローンは複数申込む
住宅ローンは複数の審査結果をもとに、比較・検討します。
審査結果が出揃わないと、どの住宅ローンが最もお得か判断できないからです。
- 適用金利が変わる
- 希望の借入額の融資が受けられない(減額される)
こともあります
多くのネット銀行住宅ローンのなかで、人気があり、おすすめの住宅ローンを3つご紹介します。
住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン

住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行の住宅ローン利用条件と特徴
- 満18歳以上満65歳以下で、最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方
- 安定した収入のある方(契約社員、派遣社員もOK)
- 団体信用生命保険に加入が認められる方
- 全疾病保障無料付帯
- 原則、別途保証人は不要
- つなぎ融資取扱なし。分割実行NG
- リフォーム一体型ローンあり
- 諸費用込もOK(金利0.2~0.5%上乗せ)
- 申込から融資まで・・2ヶ月程度
わかりやすい商品設計が人気の住信SBIネット銀行の住宅ローン。
低金利でありながら、全疾病保障まで無料でついてきます。
申込要件も緩和されていて、3ヶ月以上の勤続年数があれば審査可能。
正社員だけでなく契約社員、派遣社員も審査対象となっています。
住信SBIネット銀行は、保険の内容が充実しています。
すべての病気、ケガを対象とした(精神疾患など一部病気を除く)全疾病保障が無料付帯。
オプション料金なしで、充実した保障を受けられるので、金利以上のメリットがあります。
それでも、やっぱりネット銀行に不安を感じる方は、メガバンクも選択肢に入れましょう。
- 住宅ローンは高額な取引きだから心配……
- 長期間に渡る取引きだから不安……
- 妻など家族に、手続き等をお願いする場合があるかも?
そんな方は、メガバンクが提供する住宅ローンを選ぶのも、おすすめ。

三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行の住宅ローンは、ネット銀行並みの低金利。
2022年4月の最新金利は、長期固定金利型が1.20%。
金利が上昇しているなかで、最低水準の設定になっています。
おすすめポイント
- 長期固定金利が低金利(最安値クラス)
- 注文住宅(土地と建物融資)も利用可能
- 出産予定・直後は金利優遇(▲0.2%)あり
三菱UFJ銀行の預金口座を利用している方は、馴染みがあり、使いやすいかもしれません。
信用力や安心感を重視したい方は、ネット銀行とあわせて、検討してみると良いでしょう。
最短10日で契約完了!auじぶん銀行
auじぶん銀行の住宅ローン利用条件と特徴
- 満18歳以上満65歳未満で、最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方
- 前年度年収が200万円以上の方
- 団体信用生命保険に加入が認められる方(がん50%保障団信+全疾病保障0円)
- 原則、別途保証人は不要
- つなぎ融資取扱なし。分割実行NG
- リフォーム一体型ローンなし
- 諸費用込もOK(物件価格の10%まで上乗せ可能:金利そのまま)
- 申込から融資まで・・最短10日程度
ネット銀行のなかで審査期間が最短のauじぶん銀行。
最短10日で契約完了できます。
auじぶん銀行は、決済まで時間がない方でも大丈夫。
一般的なネット銀行は、1ヶ月半~2ヶ月程度必要です。
変動金利、10年固定金利が低金利で、保障も充実。
「がん」と診断確定されると、住宅ローン残高が1/2になる「がん50%保障団信」が無料でついてきます。
auじぶん銀行も、がんと診断されるだけでOK。
1年以上の就業不能状態などの条件がないため、すぐ保障を受けることができます。
2019年3月~、保障内容がさらに充実!
がん50%保障団信+全疾病保障
が、無料付帯。
住宅ローン商品のなかでは、もっとも保障内容が充実しました。
まとめ
ネット銀行の住宅ローンは、メガバンクなどと比べると歴史も浅く不安に感じていました。
しかし、よく調べてみると信用力や保障は、十分な内容。
そして、低金利で充実した保障内容を考慮すると、メリットの方が大きくなると感じました。
住宅ローン審査や手続きに必要な時間の長さは、デメリットなので要注意。
希望条件に合う方は、ぜひ、事前審査を試し、検討してみてはいかがでしょうか?